猪上勝也氏 と 吉積サイモンの対談より<前半>

kyoyanoren猪上勝也氏(以下 猪上氏):

私はただの呉服屋ですが、
着物はどうしてこうなったのかなと調べていくと、大きな考え方に突き当ったんです。

それは、「陰陽五行」という中国から伝わってきた思想です。

着物の形、寸法の比率など全部が見えてくる。必ず理由があるんです。派生して、年中行事や神仏行事も見えてきます。これは宗教関係ないんだな、と。

知るとしゃべりたくなりますよね。(笑)

この間も節分がありました。なぜこれをしなくちゃいけないのか。これをするといいことがあるのか、理由があるはずですよね。それを自分の中で咀嚼して、中学校の総合学習などでも話をする。実際中学生に向かって陰陽五行の話しをすると、「私の名前の子という名前に意味があるのかわかりました」とか、
「曜日がなんで月~日の字が当てはめているかとか、の意味がわかりました」とか、身近なことに、隠された意味がある事が沢山あるということがわかる。

そこがスタートだと思うんですよ。そこで日本のことを知りたいと思うようになる。

日本を知って、初めて外国の文化にぶつかったときに、ああ、日本はこれがあるのか、と。
外国の人に聞かれても、日本ではこういう意味なんだよと説明できるようになる。これが本当の国際化だと思います。

サイモンの意見を是非聞きたいですね。

「サイモンの見方っておもしろいんだよね。日本人であって日本人じゃない。 そう見るか、そういう見方もあるかってね。」

吉積サイモン氏(以下サイモン):

kyoyajinbutsu私事で申し訳ないですが、
昨日会社の会議から戻って来た時、スタッフが徐に、「いやあ、サイモンは”ガイジン”だよね」って。

いや、自分でも思うんですけど、心底中身はいわゆる、日本からみた”ガイジン”だなって思う。

それが、日本で生まれて日本で育って日本人として育っているから、カタチとしては日本人なの。でも中身はなぜか”ガイジン”。

外国、つまり母親の母国である英国や主に欧米で欧米人と生活することが僕にとっては非常にナチュラルなんですよ。そういうことが最近ふつふつと分かってきて。。仲良くしている人たちがよく僕のことを分かってくると、

「やっぱりお前は”ガイジン”だな」と言うんです。

その本質は、たぶんDNAとかそういうものだと思う。根っこですね。雰囲気とか見た目も、アングロサクソン性が強いということかな。だから、今の勝也さんの話みたいに、
外国に行って外国人の生活に浸って、日本人で、活躍している人も多いんですよ。ただその人たちの中には、知人にも国際的に活躍しているDJの方がいて、彼でさえ、つい最近まで、自分が日本人として外国人に接してしていることに劣等感を感じていたということを聞きました。なんか劣ってるんじゃないかとか。。なんか外国人のほうが日本人より凄いんじゃないか?とか、思い込みを持っていた。

ところが外国人と一体になってやっているという感覚を持つと、対等なんだと気がついたと。

だから、今までは、日本人として外国に出きっちゃっている人、外国で名を馳せている人は、日本を全く省みないで外国人として成功することが多かったんですよ。
僕の場合は生まれながらに日本人として日本人の生き方を、少し外から見つめていた部分があったと思うんです。
日本人になった外人、みたいな感じだった。

だからそういう意味で、今は、日本人たちが日本を見つめ直して外国にもう一度出るという風にもうワンクッションおかれているところが、これからの日本のブランドと日本の経済や国力のようなところにこれからすごく影響してくると僕は思います。文化を守るという意味の視点でもね。